成田養魚園ブログ

ひとり言・・・

2017 年 1 月 13 日 成田 りゅうき

 最近マスコミで良く『錦鯉』が取り上げられるようになりました。

絵的に『高額な錦鯉』が良いのでしょうね。

 私自身も先日東海地方のローカルニュースの取材を受け色々と錦鯉に関して取材を受けました。

 本当に1000万円を超える価値のある鯉は全生産者さん合わせても『年間1匹出るか出ないか』が現状です。

(もちろん言い値なので人によっては価値のない鯉でも1000万以上を言う方も居ますが・・・)

 この事は錦鯉をやってる方なら理解して頂ける事実・・・・殆どの鯉が数百円から数千円程度なんです。

 それを取材の際に一生懸命お話しさせて頂いても放映の際にはコトゴトクカットされ『錦鯉=金持ち』みたいな報道がされてしまいます。

 もちろん錦鯉は高額です。実際に家が買えるような価格が付く鯉も実在します。

 ただ考え方によっては『高額な錦鯉』の報道はむしろウェルカムなんですよね。

 もし私達の扱っている鯉が高いもので数万円なら愛好者は今ほど居たでしょうか??

 私も含め趣味なんかは『格好良い!!』とか『目立ちたい!!』とか『憧れ的』な結構不純なきっかけで始める事が多いんじゃないでしょうか・・。

 実際に今回の様な報道を見た方の中で「よしっ、5000万の鯉でも見に行くか?」と思い鯉屋に足を運んだとしても店に並んでる鯉は500円から数万円程度の鯉がメインになります。

 そこでそれを見た方が「鯉って500円の鯉も居るんだねっ!!」と思って頂ければ鯉屋としてはラッキーな事ですよね。500円の鯉でも錦鯉を知らない方が見れば凄く綺麗だと思うし・・・。

 そういった観点から見れば錦鯉に余り興味を持ってない方がどんな形(錦鯉=金持ちとか)でも錦鯉に興味を抱いてくれれば過激な放送もある意味OKなんではないでしょうか。

 1匹のお母さん鯉から50万個~100万個位の卵を産卵させて実際に流通に乗っていく鯉の数は何匹なんだろうと考えれば鯉の価格って意外と高くないと錦鯉業界の一人として思います。

 ただ今の過剰な錦鯉価格高騰の裏には10年前も現在も出来る鯉の数が殆ど変らず所謂「品評会用」と言われる鯉に関して言えばむしろ減少している錦鯉業界があるという現実もあります。

 私も前線に立ち錦鯉業界に足を突っ込み約20年・・・20年前と今の錦鯉業界のレベルが飛躍的かつ理想的に変化したかと問われれば私は「余り変化なし」と答えるでしょうね。

 そこに国外での『錦鯉ブーム』が到来し1匹に対しての購入希望者が増えてる=錦鯉価格高騰に繋がってると推測されます。

 もっと沢山の良質な錦鯉を生産出来れば簡単に解消できる問題なんですが、錦鯉の生産の際に人が努力して出来る事は自然の摂理に比べれば全く無力に近いのではないでしょうか。

長々と書いてしまいましたが最後までご高覧頂き誠に有難うございました。